中古物件を運営するにあたって大きな壁となるのが、建物の老朽化でしょう。
物件が老朽化すると、空室のリスクが高まるだけでなく、その他にもさまざまな、しかも大きな問題が出てきますので、事前にこのリスクを考えておく必要があります。
まず、老朽化に伴う問題としては、建物自体の安全性が挙げられます。
古い建物は新しい耐震基準に沿った造りをしていないので、災害があったときに甚大な被害を被ることがあります。
不動産の価値を大きく下げることになりますし、入居者の安全を確保することができません。
また、メンテナンスに多額のお金がかかるということもデメリットでしょう。
配管や塗装、設備など至るところ、いつも何かしらのトラブルが出てくることもありますので、修繕にかなりのお金を使うことになります。
また、こうしたトラブルはストレスの種ともなりますので、できるだけ回避したいところです。
収入が減ってしまうという大きなデメリット
老朽化が進むと、物件としての魅力がかなり落ちてしまいますので、それに伴って入居者も減ってしまいます。
今まで住んでいた住人も、新しい建物に移動してしまい、どんどん入居率が下がるのに加えて、新しい入居者を見込めないという二重のデメリットを抱えることになります。メンテナンスなどに費用がどんどんかかるようになり、収入も減ってしまいますので、不動産の運営としてはかなり厳しい状況になるでしょう。
こうなると、建物の建て替えを考えることが自然の流れとなりますが、なかなか建て替えというのは難しい問題でもあります。
というのも、建物を建て替えるにあたっては、今いる入居者に立ち退きをお願いするしかありませんが、正当な事由があって始めて立ち退きを迫れますので、ここをクリアするのに手間と時間がかかるでしょう。
また、現行の借地借家法だと、単なる建て替えという理由だけでは立ち退きを強制できないことになっていますし、物件が再建築不可物件の場合、建築基準法により建て替えを行うことができません。さらに再建築不可物件は特殊なだけに取り扱える不動産会社は多くはありません。
裁判で対処するのが一般的な方法
入居者に立ち退きを要求するものの、それを拒否されてしまう場合には、最終的には裁判で解決することが多くなります。
上手に解決の道を探すには、立ち退き料の設定がカギとなります。
一般的な相場を知るとともに、ある程度上乗せすることで、立ち退きに正当な理由を付けることができます。
そのため、立ち退きをお願いして建物の建て替えをしたいときには、ある程度多めに支出を見積もっておくことが肝心です。
老朽化した建物を建て替えるには、いろいろな問題があり、それぞれの物件によって異なります。
こうした問題を扱うプロも存在しますので、上手に活用するのも賢い手の1つでしょう。
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